「やっぱり知りたい!続・民俗学」第1回「柳田國男と神語」 in京都

イベントは終了しました

  1. TOP
  2. セミナー、ビジネス

「やっぱり知りたい!続・民俗学」第1回「柳田國男と神語」

2017/5/13(土) 19:00~2017/5/13(土) 21:00

GACCOH

  • 「やっぱり知りたい!続・民俗学」第1回「柳田國男と神語」 イベント画像1

  • 「やっぱり知りたい!続・民俗学」第1回「柳田國男と神語」 イベント画像2

国内の山村にして遠野より更に物深き所には又無数の山神山人の伝説あるべし。願はくは之を語りて平地人を戦慄せしめよ。
(柳田國男、明治43年公刊『遠野物語』より)
 
 
現在では日本民俗学の父として知られる柳田國男ですが、大正後期から昭和初期にかけて彼の思想は大きく転換した、と言われています。大正期までの柳田は、深山にて独自の生を営むとされる「山人」の痕跡を追い求めていました。柳田が言う山人とは、山によって生計を立てる人々(猟師や木こり)のことではなく、平地に暮らす一般の日本人(いわゆる「常民」)とは異なった民族を想定しています。その山人と平地で暮らす民との不意の接触が、全国に伝承されている山中神秘譚を発生させた、と柳田は考えたのです。

しかし大正末年、それまでの山人研究の集大成として公刊された『山の人生』を最後に、柳田は山人を追い求めることに区切りをつけました。そして、以降約10年をかけ、『民間伝承論』『郷土生活の研究法』などの方法論書を上梓し、自らの依って立つ学の体系化を試みました。この時期の柳田の活動が、常民を主たる研究対象とする、日本民俗学の骨子となった、と言われています。

では日本民俗学は、山人研究の放棄の上に築かれたのでしょうか。確かに柳田は、山人の実在を証明する研究を『山の人生』で一区切りつけた、と言えます。しかしそれは、柳田の関心対象が変わったわけではなく、その視点がシフトしただけなのです。彼の研究は、山人の存在を幻想、幻覚し、それにまつわる説話を伝承、保持してきた民衆の心理へと集約化されていきました。柳田が、「心意現象」の解明を民俗学の最終目的に設定する理由が、ここにあります。

本講座では、柳田より始まる民俗学を導き手とし、日本人の幻想の源泉へと遡上していきます。柳田に依るとその源泉には、「民間の今は絶えて了つた神話」が想定されることになります。

柳田は、神話の影響は民間伝承や文芸作品、果ては夢にまで及んでいると述べる一方で、神話はそのものとしてはもう無い、と主張しました。柳田が、この「民間の今は絶えて了つた神話」を探求する際に見いだしたのが、神が人に憑りて語る行為、すなわち「神語(かみごと)」でした。第1回「柳田國男と神語」では、このような柳田の神話論についてお話ししたいと思います。

柳田が、折口信夫の「まれびと」を巡る学説に反発したことは有名な話です。柳田の目には、来訪する神、「まれびと」の神語(かみごと)から文学は発生する、と主張する折口の説が、「民間の今は絶えて了つた神話」を復元しようとする蠱惑的な試みに見えたのかもしれません。第2回「折口信夫と神語」では、折口の学説を柳田の神話論の文脈において解釈してみたいと思います。

現在に生きる我々にとって、柳田や折口の神話論はどのような視点をもたらしてくれるのか。第3回「民俗学のすすめ」では、彼らの論の有効性を、他の様々な神話論と対比させながら問うてみたいと思います。また、神話をテーマに皆さんと議論する時間を多く取る予定です。語らいを通して、我々の日常の中にある神話の論理を発見していきたいと思います。

本講座は「続」と銘打っていますが、昨年度の講座からは、独立したものとして構成されています。初参加の方、歓迎いたします。

ナビゲーター: 岡安裕介(おかやす・ゆうすけ)

京都大学人文科学研究所共同研究員。京都大学博士(人間・環境学)。
専門は精神分析学、民俗学。C・レヴィ=ストロース、J・ラカンの理論に基づいた、日本文化の構造分析を研究テーマとしている。


イベントHP>>>http://www.gaccoh.jp/?page_id=8858

コメント

チケット販売期間外です

販売
期間

2017/4/22(土) 21:00~

2017/5/13(土) 18:00

PassMarketのチケットについて

チケット情報

このチケットは主催者が発行・販売します

「やっぱり知りたい!続・民俗学」第1回「柳田國男と神語」

1,200円

販売条件

・チケットは税込価格になります
・イベント予約完了後のチケット代はご返金いたしかねますので、あらかじめご了承ください。

お支払い方法

PayPay残高 PayPay

クレジットカード決済

  • JCB
  • VISA
  • Mastercard

コンビニ決済

※コンビニ決済は別途手数料がかかります。
 またお支払い期限がございます。
 詳細はこちらをご確認ください。

チケットの取出し方法

チケットはこちらまたは
お申し込み時に登録したメールアドレス
よりご確認いただけます。

お問い合わせ先

メールアドレス

gaccoh009@gmail.com

このイベントを見ている人にオススメ

読み込み中


▲このページのトップへ