【神田伯剌西爾】第157回 ポエトリーカフェ・萩原朔太郎 篇

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【神田伯剌西爾】第157回 ポエトリーカフェ・萩原朔太郎 篇

双方向コミュニケーション型《気さくな詩の読書会(学び場・朗読)》

2024/9/29(日) 19:00~2024/9/29(日) 21:20

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第157回【ポエトリーカフェ:萩原朔太郎 篇】

[日時] 9/29(日)19:00~21:20(定員16名ほど)→18席に増席しました!
      ※1ドリンク、オーダー別
    ※当会限定「ポエトリーおやつ」!あり(伯剌西爾さん協力)

[会場] 神田伯剌西爾(神保町)
       ※半蔵門線・三田線・新宿線「神保町」A7出口徒歩3分


《萩原朔太郎》 詩人(1886-1942)
群馬県前橋生。旧制中学時代に短歌をはじめ、文学の道へ入る。のち詩人を志し、1917年(大正6)第一詩集『月に吠える』を刊行。口語の濃密で緊迫したリズム、暗鬱でありながらも感情をゆさぶる斬新な表現・イメージは詩壇に強い衝撃をもたらし、当時から後世にわたり、文壇内外に大きな影響を与える。さらに1923年刊の『青猫』(及『純情小曲集』)で口語自由詩の確立者として、不動の地位を得る。また1934年刊『氷島』では漢文調の激しい語調で孤高の人生の虚妄や悲哀を表現し、新たな詩の地平をひらく。手品や写真、音楽を愛し、マンドリンも得意とした。

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前回の平井晩村は明治~大正期の作家でしたが。今回は晩村と同郷の前橋市出身で、大正~昭和前期に多大な活躍をし、「近代詩の父」と呼ばれる 萩原朔太郎 を課題詩人にとりあげます(なんと11年ぶり登場!)。ちなみに朔太郎は…  自分が近代詩の伝道を始めたきっかけとなった人です。第一詩集『月に吠える』をはじめとする作品群の異様な魅力ももちろんありますが、師の北原白秋、のちに生涯の親友となる 室生犀星との濃密な交流も胸熱ですし、いち人間としてもかなり風変わりなところが多々あり… 個人的にも出会ってからずっと興味の尽きせぬひとです。

朔太郎の没後、82年が経ちましたが… 
今もなお新しい感受・感覚・発見を与えてくれる、この詩人の生涯をたどりつつ。
皆でたのしく詩を読んでみませんか。

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[詩をちょこっと紹介]

「天景」

しづかにきしれ四輪馬車、
ほのかに海はあかるみて、
麦は遠きにながれたり、
しづかにきしれ四輪馬車。
光る魚鳥の天景を、
また窓青き建築を、
しづかにきしれ四輪馬車。


「悲しい月夜」

ぬすつと犬めが、
くさつた波止場の月に吠えてゐる。
たましひが耳をすますと、
陰気くさい声をして、
黄いろい娘たちが合唱してゐる、
合唱してゐる、
波止場のくらい石垣で。

いつも、
なぜおれはこれなんだ、
犬よ、
青白いふしあはせの犬よ。 ――『月に吠える』1917年


「こころ」

こころをばなににたとへん
こころはあぢさゐの花
ももいろに咲く日はあれど
うすむらさきの思ひ出ばかりはせんなくて。

こころはまた夕闇の園生のふきあげ
音なき音のあゆむひびきに
こころはひとつによりて悲しめども
かなしめどもあるかひなしや
ああこのこころをばなににたとへん。

こころは二人の旅びと
されど道づれのたえて物言ふことなければ
わがこころはいつもかくさびしきなり。 ――『純情小曲集』1925年


「虚無の鴉」

我れはもと虚無の鴉
かの高き冬至の屋根に口を開けて
風見の如くに咆號せむ。
季節に認識ありやなしや
我れの持たざるものは一切なり。 ――『氷島』1934年


「風船乗りの夢」

夏草のしげる叢から
ふはりふはりと天上さして昇りゆく風船よ
籠には旧暦の暦をのせ
はるか地球の子午線を越えて吹かれ行かうよ。
ばうばうとした虚無の中を
雲はさびしげにながれて行き
草地も見えず 記憶の時計もぜんまいがとまつてしまつた。
どこをめあてに翔けるのだらう
さうして酒瓶の底は虚しくなり
酔ひどれの見る美麗な幻覚も消えてしまつた。
しだいに下界の陸地をはなれ
愁ひや雲やに吹きながされて
知覚もおよばぬ真空圏内にまぎれ行かうよ。
この瓦斯体もてふくらんだ気球のやうに
ふしぎにさびしい宇宙のはてを
友だちもなく ふはりふはりと昇つて行かうよ。 ―――『定本 青猫』1936年

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【ポエカフェって何?】
「ポエトリーカフェ」とは、2009年秋より「入りやすい、詩の入口を作ろう!」との思いでスタートした《気さくな詩の学び場》です。詩の活動を始めて以来「興味はあるけど、誰からなにから、読んだらいいのか」「楽しみ方が分からない」という方々に多く出会ってきました。そんな方々のなにか手がかりになれればと、こんな会をやっています。

ポエカフェ本編に入る前にミニ自己紹介を設け、Pippoが詩人の生涯を紹介しながら、
ご参加の方々に朗読いただき、自由に感想をのべてもらい、語らったり、自然に詩や詩人と親しめる流れをつくっています。
詩や詩人についての知識などなくても大丈夫。初めてのかたも大歓迎です!

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[ご参加の方へ]
★会で使用するテキスト:年譜・作品テキスト(全詩より代表作30~40篇をまとめたもの)
  事前にpdfにてご送付します。紙のテキストでご希望のかたには、郵送します。

[ご参加にあたってのお願い]
★〈会で使用するテキスト〉は少人数の本講座用に主宰が作成したものです。コピー配布や、第三者へ貸与など、受講目的以外の用途で使用することはお控えください。
★〈ポエトリーカフェ〉は、みなで作品や詩人にふれて、楽しむことを目的とした会です。他のご参加者の方々への強い批判・否定、またハラスメントにあたる言動等はお控えください。注意してもやめない場合、退場いただくこともあります。

[支援について]世界・国内情勢を鑑みて、2024年中に当方で開催の「ポエカフェ」ご参加費の半額を(戦地等での)救命支援団体、(被災地の)復興支援 等への送金にあてさせていただきます。予めご了承ください。

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