【神田伯剌西爾(神保町)】第159回 ポエトリーカフェ・大手拓次 篇 in東京

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【神田伯剌西爾(神保町)】第159回 ポエトリーカフェ・大手拓次 篇

双方向コミュニケーション型《気さくな詩の読書会(学び場・朗読)》

2024/11/24(日) 19:00~2024/11/24(日) 21:20

神田伯剌西爾(神保町)

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第159回【ポエトリーカフェ:大手拓次 篇】

[日時] 11/24(日)19:00~21:20(定員15名ほど)
    ※1ドリンク、オーダー別
    ※当会限定「ポエトリーおやつ」!あり(伯剌西爾さん協力)

[会場] 神田伯剌西爾(神保町)
       ※半蔵門線・三田線・新宿線「神保町」A7出口徒歩3分

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《大手拓次》 詩人(1887-1934)
明治20(1887)年11月3日に、群馬県碓氷郡磯部温泉(現 安中市磯部町)に旅館の家の次男として生まれる。早くに両親をなくし、祖父母に育てられた。中学時代から詩を志し、上京して早稲田大学英文科に学ぶ。当時の詩壇の新風であった西欧の象徴詩に熱中・傾倒し、北原白秋に畏敬をいだく。白秋主宰「朱欒(ザンボア)」に詩を投稿/掲載され、特異な詩境をきりひらいてゆく。その後ライオン歯磨本舗(広告部)に入社し、死に至るまでの18年間をそこで勤務。控えめで非社交的な性格から、内なる孤独の世界にて詩作に励み続けたが、生前、ついにその詩集の刊行をみなかった。「香り」「薔薇」を愛した。死後、第一詩集『藍色の蟇』、詩画集『蛇の花嫁』刊行。

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群馬前橋出身の平井晩村⇒ 萩原朔太郎とつづく《群馬近代詩人シリーズ》ですが、今回は安中市出身の大手拓次を取り上げます。ポエカフェでは 2012年(1回目)と、岩波文庫の『大手拓次詩集』復刊 祝!記念として2018年にやって以来、6年ぶり3度目の登場となります。

拓次は萩原朔太郎・室生犀星 とともに「北原白秋門下・三羽烏」としても知られる、唯一無二の詩世界・魅力を有する詩人です。しかし、生涯にすぐれた詩を2400篇近くものこしながら、大正~昭和期に華々しい活躍をみせた 朔太郎・室生犀星などに比すると、生前に詩集が未刊だったこともあり、広範囲にその詩が読まれることもなく不遇であったな…と思わざるをえません。賢治とともに拓次研究者でもあった、原子朗 氏も《朔太郎が「口語自由詩」を完成させた詩人と言うのであれば、それより早い段階で完成度の高い「口語象徴詩」を作り、朔太郎にも直接影響を与えた大手拓次は、一般詩史においてもっと評価されてしかるべき》と述べておられ… じつにその通りだな、と私も思います。

今回やるにあたり、岩波文庫の『大手拓次詩集』どうなってるかな? と調べたら、すでに品切重版未定の模様でざんねん…  図書館では借りられると思いますが。
(ポエカフェでは、拓次の年譜&代表作30~40篇テキストを配布します)。

拓次の没後、90年が経ちましたが… 今もなお新しい感受・感覚・発見を与えてくれる、この詩人の生涯をたどりつつ。かれがのこしてくれた詩を、皆でたのしく読んでみませんか。
いや、読みましょう!

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[詩をちょこっと紹介]

「秋」

ものはものを呼んでよろこび、
さみしい秋の黄色い葉ひろい大様(おおよう)な胸にねむる。
風もあるし、旅人もあるし、
しづんでゆく若い心はほのかな化粧づかれに遠い国をおもふ。
ちひさな傷のあるわたしの手は
よろけながらに白い狼をおひかける。
ああ 秋よ、
秋はつめたい霧の火をまきちらす。

「わらひのひらめき」

あのしめやかなうれひにとざされた顔のなかから、
をりふしにこぼれでる
あはあはしいわらひのひらめき。
しろくうるほひのあるひらめき、
それは誰にこたへたわらひでせう。
きぬずれのおとのやうなひらめき、
それはだれをむかへるわらひでせう。
うれひにとざされた顔のなかに咲きいでる
みづいろのともしびの花、
ふしめしたをとめよ、
あなたの肌のそよかぜは誰へふいてゆくのでせう。

「香料の顔寄せ」

とびたつヒヤシンスの香料、
おもくしづみゆく白ばらの香料、
うづをまくシネラリヤのくさつた香料、
夜のやみのなかにたちはだかる月下香(テユペルウズ)の香料、
身にしみじみと思ひにふける伊太利の黒百合の香料、
はなやかな著物をぬぎすてるリラの香料、
泉のやうに涙をふりおとしてひざまづくチユウリツプの香料、
年の若さに遍路の旅にたちまよふアマリリスの香料、
友もなくひとりびとりに恋にやせるアカシヤの香料、
記憶をおしのけて白いまぼろしの家をつくる糸杉(シプレ)の香料、
やさしい肌をほのめかして人の心をときめかす鈴蘭の香料。

「薔薇の誘惑」

ただひとつのにほひとなつて
わたり鳥のやうにうまれてくる影のばらの花、
糸をつないで墓上の霧をひきよせる影のばらの花、
むねせまく ふしぎなふるい甕かめのすがたをのこしてゆくばらのはな、
ものをいはないばらのはな、
ああ
まぼろしに人間のたましひをたべて生きてゆくばらのはな、
おまへのねばる手は雑草の笛にかくれて
あたらしいみちにくづれてゆきます。
ばらよ ばらよ
あやしい白薔薇のかぎりないこひしさよ。

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【ポエカフェって何?】
「ポエトリーカフェ」とは、2009年秋より「入りやすい、詩の入口を作ろう!」との思いでスタートした《気さくな詩の学び場》です。詩の活動を始めて以来「興味はあるけど、誰からなにから、読んだらいいのか」「楽しみ方が分からない」という方々に多く出会ってきました。そんな方々のなにか手がかりになれればと、こんな会をやっています。

ポエカフェ本編に入る前にミニ自己紹介を設け、Pippoが詩人の生涯を紹介しながら、ご参加の方々に朗読いただき、自由に感想をのべてもらい、語らったり、自然に詩や詩人と親しめる流れをつくっています。詩や詩人についての知識などなくても大丈夫。初めてのかたも大歓迎!

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[ご参加の方へ]
★会で使用するテキスト:年譜・作品テキスト(全詩より代表作30~40篇をまとめたもの)
  事前にpdfにてご送付します。紙のテキストでご希望のかたには郵送します。

[ご参加にあたってのお願い]
★会場ではマスクの着用をおねがいします。
★〈会で使用するテキスト〉は少人数の本講座用に主宰が作成したものです。コピー配布や、第三者へ貸与など、受講目的以外の用途で使用することはお控えください。
★〈ポエトリーカフェ〉は、みなで作品や詩人にふれて、楽しむことを目的とした会です。他のご参加者の方々への強い批判・否定、またハラスメントにあたる言動等はお控えください。注意してもやめない場合、退場いただくこともあります。

[支援について]世界・国内情勢を鑑みて、2024年中に当方で開催の「ポエカフェ」ご参加費の半額を(戦地等での)救命支援団体、(被災地の)復興支援 等への送金にあてさせていただきます。予めご了承ください。

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2024/10/11(金) 18:00~

2024/11/24(日) 20:00

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