【オンライン講義】生成と多重視点の仏教学:「論争」から考える日本仏教の思想 第11回[中世編3](講師:亀山隆彦)

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【オンライン講義】生成と多重視点の仏教学:「論争」から考える日本仏教の思想 第11回[中世編3](講師:亀山隆彦)

2020/5/16(土) 16:00~2020/5/16(土) 18:00

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概要

 この講義では、様々な「視点」(パースペクティブ)とその切り替えを鍵に、日本仏教の思想について考えてみたいと思います。

 例えば真言密教と空海、専修念仏と法然などが分かりやすいですが、我々はしばしば、個別の仏教思想と僧個人の密接な繋がりを前提に仏教の歴史を考えます。しかし、それこそ真言密教を空海の思索や内面の産物とするように、それぞれの思想を個々の僧に還元してよいか疑問は尽きません。

 それは、決して歴史的な「視点」ではなく、むしろ近代の我々が考案した思想史の「視点」なのではないでしょうか?詳しくは講義内で紹介しますが、そのような我々の近代の「視点」を打ち砕く歴史的な物証は、既に多数発見されています。

 したがって、むしろ次のように考えるべきかも知れません。

 奈良・平安から江戸・明治までの日本仏教の歴史をふりかえるに、それまでにない斬新な仏教理解が登場する背景として、常に僧達の「多重視点」(マルチ・ペースペクティブ)が存在しました。その「多重視点」の交差から、真言密教も、天台本覚思想も、専修念仏も、純粋禅も生成してきました。

(あるいは、我々の「多重視点」も交差し、新たな仏教の理解を生成し続けているのかも知れません。)

 僧達の「多重視点」がもっとも鮮明に観察できる事象がなにかといえば、彼らの間の「論義」「談義」、広義の「論争」でしょう。インドや中国、チベットと同じく、日本の仏教にも長い論争の歴史があります。それは奈良から平安時代の初めにかけて輸入された「空有の諍論」に始まり、中世の諸宗の組織的で洗練された論義の伝統、そして近世のキリスト教を対象とする異端論争へつながっていきます。

 この講義では、上に述べた「視点」や「多重視点」をキーワードに日本仏教の論争の歴史を概観し、その思想の生成の局面についてお話します。

最後に、ポイントとなる日本仏教史の論争を紹介しておくと次の通りです。

  • ①奈良末から平安初期にかけての教学論争(徳一、空海、最澄、安然が関わった論争)
  • ②鎌倉~南北朝期の論義、問答
  • ③室町~江戸期の宗論(キリスト教を相手とする論争)

担当講師

亀山隆彦(龍谷大学非常勤講師)

参考文献

  • 春日直樹編『現実批判の人類学―新世代のエスノグラフィへ』(世界思想社、2011年) 
  • 楠淳證『貞慶撰『唯識論尋思鈔』の研究』(法蔵館、2019年) 
  • 楠淳證他編『日本仏教と論議(龍谷大学アジア仏教文化研究叢書)』(法蔵館、2020年) 
  • 末木文美士『日本仏教史 思想史としてのアプローチ』 (新潮文庫、1996年)  
  • 智山勧学会編『論義の研究』(青史出版、2000年) 
  • 蓑輪顕量『日本仏教の教理形成―法会における唱導と論義の研究』(大蔵出版、2009年) 
  • 師茂樹『論理と歴史 東アジア仏教論理学の形成と展開』(ナカニシヤ出版、2015年) 
  • エドゥアルド・ヴィヴェイロス・デ・カストロ『食人の形而上学: ポスト構造主義的人類学への道』(洛北出版、2015年) 
  • マリリン・ストラザーン『部分的つながり』(叢書人類学の転回、水声社、2015年) 
  • マルティン・レップ編『問答と論争の仏教―宗教的コミュニケーションの射程』(法蔵館、2012年) 
 
ご覧いただく方法

本講義は配信はツイキャスのプライベート配信を使い、このページからご予約いただいた方のみご覧いただける“限定配信”となります。

上七軒文庫ツイキャス講義ページ https://twitcasting.tv/kami7ken_bunko

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金額(税込) 1,000 円 -

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