nyx×GACCOH「マルクスと現代社会」第二回 物質代謝の亀裂と人新世の環境危機 in京都
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今年は『資本論』第一巻刊行から150年、来年はマルクス生誕200年とメモリアルイヤーが続き、マルクス研究の界隈ではちょっとした盛り上がりを見せている。とはいえ世間一般では、マルクスの生きた19世紀は現代社会とはかけ離れており、その結果、マルクスの哲学や経済学が時代遅れなものになってしまっているという考え方のほうが一般的だろう。だとすれば、21世紀に『資本論』という古典を読む意味はどこにあるのだろうか?端的に答えれば、われわれは依然として資本主義社会に生きているからである。「労働価値論」、「階級」、「社会主義」といった――マルクス主義者でさえも今では使うのを躊躇ってしまうような――「古臭い」概念に再び焦点を当てながら、新自由主義、エコロジー、民主主義をめぐる現代社会の諸問題について、マルクスからいったい何を学ぶことができるのか一緒に考えてみたい。
第一回 マルクス主義の新自由主義批判・・・2017年12月16日(土) 18:00-20:00
マルクス主義の新自由主義批判で最も有名なのは、デヴィッド・ハーヴェイの「収奪による蓄積」だろう。だが、ハーヴェイの理解を批判する形で、資本主義の「成熟」による資本蓄積の困難を論じてみたい。
第二回 物質代謝の亀裂と人新世の環境危機・・・2018年1月20日(土) 18:00-20:00
マルクスの思想は近代主義として長いこと批判されてきた。だが、膨大な自然科学ノートに眠っていた「物質代謝の亀裂」という問題構成の発見は、近年、マルクスのエコロジーを大きく深化させている。地球温暖化、漁業資源の枯渇、土壌疲弊といった環境問題を参照しながら、マルクスのエコロジカルな資本主義批判を再構築する。
第三回 マルクス主義vs.ポスト・マルクス主義・・・2018年2月17日(土) 18:00-20:00
マルクス主義は経済決定論や階級還元主義に陥っているとされ、「新しい社会運動」が台頭した後の多元的な政治の次元を説明することができないとされてきた。そうした批判に応答する形で、エルネスト・ラクラウに代表されるポスト・マルクス主義は経済の最終審級から決別することで、ラディカル・デモクラシーを社会主義のオルタナティブとして掲げている。社会主義というビジョンがなぜ依然として民主主義のために必要なのかを、マルクスに立ち返って考える。
会場:京都出町柳 GACCOH(京阪電車「出町柳駅」2番出口より徒歩5分)
参加費:各回 予約1,200円 / 当日1,500円
ベルリン・フンボルト大学にて博士号取得後、ベルリン・ブランデンブルク科学アカデミーやカリフォルニア大学サンタバーバラ校の客員研究員を経て、現在、大阪市立大学経済学部准教授。著書にKarl Marx’s Ecosocialism: Capital, Nature and the Unfinished Critique of Political Economy (New York: Monthly Review Press, 2017)がある。
入門 :佐々木隆治『カール・マルクス―「資本主義」と戦った社会思想家』(ちくま新書、2016年)
とにかく、まずこれを読め!
中級:小西一雄『資本主義の成熟と転換――現代の信用と恐慌』(桜井書店、2014年)
上級:大谷禎之介『マルクスのアソシエーション論』(桜井書店、2011年)
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nyx×GACCOH「マルクスと現代社会」第二回 物質代謝の亀裂と人新世の環境危機
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