【オンライン講義】真言密教の哲学[第2回](講師:亀山隆彦)

イベントは終了しました

  1. TOP
  2. 教室、ワークショップ

【オンライン講義】真言密教の哲学[第2回](講師:亀山隆彦)

2020/6/3(水) 18:00~2020/6/3(水) 20:00

  • 【オンライン講義】真言密教の哲学[第2回](講師:亀山隆彦) イベント画像1

概要

  歴史学者の黒田俊雄が、顕密体制(けんみつたいせい)と名づける宗教・政治の複合システムの研究を通じて明らかにしたように、いわゆる中世と呼ばれる、平安時代末期から室町時代にかけての日本仏教界の主流は、浄土教でも禅宗でも日蓮宗でもなく、平安初期の空海・最澄・円仁・円珍等により請来された密教であった。

 より正確にいえば、中世期の仏教のもっとも一般的な形態は、先行する奈良の諸仏教思想に複雑な密教の儀礼、さらに即身成仏(そくしんじょうぶつ)や法身説法(ほっしんせっぽう)のような密教教学が結びついたものであった。それこそが、前述の「顕」(顕教=南都仏教)と「密」(密教=真言・天台密教)の複合システム、顕密体制である。黒田も強調するように、顕密のそれぞれの教えを一つに編み上げた中世独特の仏教は、国家の護持から皇族・貴族の個人的な祈願に至る様々な局面で、大きな影響力を発揮した。

 このような黒田の問題提起は歴史学を越えて、仏教学や日本宗教学にも大きなインパクトを与え、近年は末木文美士を筆頭に、このテーマにアプローチする研究者も増えた。その成果として、平安末~鎌倉~室町期の政治・科学・哲学と深く結びついた、中世日本に独自の密教思想の存在も徐々に明らかになりつつある。このような中世日本仏教に関する最新の研究動向を紹介することが、本講義の第一の目的である。

 さらに、中世日本密教に特徴的な思想・哲学として、五蔵曼荼羅(ごぞうまんだら)や胎内五位(たいないごい)といった教えに集約される、独特の身体論が挙げられる。この身体論に関しても、近年研究者の注目を集めているが、その全貌はいまだ詳らかではない。本講義では、中世密教僧の即身成仏、縁起、瑜伽の哲学的言説に加えて、灌頂や修法といった密教儀礼の解釈学を合わせて検討することで、その構造の解明に取り組む。

担当講師

亀山隆彦(龍谷大学非常勤講師)

参考文献

  • 市川浩『精神としての身体』(講談社学術文庫、1992年) 
  • 市川浩『〈身〉の構造 身体論を超えて』(講談社学術文庫、1993年) 
  • 小川豊生『中世日本の神話・文字・身体』(森話社、2014年) 
  • 黒田俊雄『日本中世の国家と宗教』(岩波書店、1975年) 
  • 黒田俊雄『王法と仏法』(法藏館文庫、2020年) 
  • 末木文美士『鎌倉仏教展開論』(トランスビュー、2008年) 
  • 末木文美士『日本仏教入門』(角川選書、2014年) 
  • スティーブ・トレンソン『祈雨・宝珠・龍: 中世真言密教の深層』(京都大学学術出版会、2016年) 
  • 夏目房之介、師茂樹他著『からだの文化―修行と身体像』(五曜書房、2012年) 
  • 湯浅泰雄『気・修行・身体』(平河出版社、1986年) 
  • 湯浅泰雄『身体論 東洋的心身論と現代』(講談社学術文庫、1990年) 
  • ルチア・ドルチェ、松本郁代編『儀礼の力: 中世宗教の実践世界』(法藏館、2010年) 
 
ご覧いただく方法

本講義は配信はツイキャスのプライベート配信を使い、このページからご予約いただいた方のみご覧いただける“限定配信”となります。

上七軒文庫ツイキャス講義ページ https://twitcasting.tv/kami7ken_bunko

ご予約済みの皆様には、視聴に必要な「合言葉」と講義のレジュメをご予約の際に入力いたしましたアドレス宛にEメールでお送りします。何とぞよろしくお願いします。

金額(税込) 1,000 円 -

コメント

チケット販売期間外です

販売
期間

2020/5/3(日) 14:00~

2020/6/3(水) 17:50

PassMarketのチケットについて

チケット情報

このチケットは主催者が発行・販売します

【オンライン講義】真言密教の哲学[第2回](講師:亀山隆彦)

1,000円

お支払い方法

PayPay残高 PayPay

クレジットカード決済

  • JCB
  • VISA
  • Mastercard
  • Amex

コンビニ決済

※コンビニ決済は別途手数料がかかります。
 またお支払い期限がございます。
 詳細はこちらをご確認ください。

チケットの取出し方法

チケットはこちらまたは
お申し込み時に登録したメールアドレス
よりご確認いただけます。

お問い合わせ先

メールアドレス

info@kamishitiken-bunko.com

このイベントを見ている人にオススメ

読み込み中


▲このページのトップへ