「やっぱり知りたい！南方熊楠」第1回 人生 in京都
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「やっぱり知りたい！南方熊楠」
明治から昭和初期にかけて、人々が目も眩むばかりの強烈な輝きを放った知の巨人がいました。それが南方熊楠（みなかたくまぐす）です。そして、その輝きは今現在もまったく失われていません。
生誕150年の節目の今年（2017年）に至り、その思想研究は新たな段階を迎えようとしています。本講座では、南方熊楠の人生と思想をわかりやすく解説していきます。
まずは、その破天荒な人生を概観します。私たち日本人の先人に、このような豪快かつ大胆な人生を送った人がいたことに、みなさんもきっと驚かれることでしょう。そして、同時に勇気づけられるはずです。
次に、熊楠が聖地那智山で構想した「南方マンダラ」という深遠な思想を解説します。この独特な思想には、真言密教以外に『華厳経』の思想が隠されています。熊楠は、それらを独自にカスタマイズして「世界」を表そうとしました。
最後に、熊楠の夢と「やりあて」についてお話します。あまり知られていませんが、熊楠は夢に大変関心を持っていました。そして夢告（正夢）や虫の知らせをよく得ていたようです。彼はそれを「やりあて」と呼んでいます。この「やりあて」のプロセスを、熊楠の言葉をつむぎながら解説します。
東京大学を中退しアメリカへ。アメリカでも学校をドロップアウト。突如キューバへ向かい生物採集の傍らサーカス団と交流。『ネイチャー』に論文を次々に投稿。ロンドンの大英博物館で暴力事件。那智山に弧居。神社合祀反対運動。キャラメル箱に標本を入れて昭和天皇に献上。臨終時の謎の言葉……これ以外にも強烈なエピソードをたくさん紹介します。
第2回 南方マンダラみなさん、マンダラと言うと何を思い浮かべますか。整然と配置された仏たち？色とりどりの絵？真言密教独自のもの？「南方マンダラ」はそのような固定概念を打ち崩します。しかし、そこには「世界」の実相を掴む鍵が隠されています。熊楠のコスモロジーと言えるこのマンダラを丁寧に解説します。
第3回 夢と「やりあて」偶然の域を超えた発見や発明・的中を、熊楠は「やりあて」と呼びました。これは夢と非常に深い関係にあります。また、人間の創作活動、アートにも親和性のある事柄です。「やりあて」はどのような場において、どのようなプロセスを経て生じるのでしょうか。図を用いながら解説します。
ナビゲーター： 唐澤太輔(からさわ・たいすけ)1978年生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。早稲田大学大学院社会科学研究科修了。博士(学術)。日本学術振興会特別研究員(DC-2)、早稲田大学助手、助教を経て、現在、龍谷大学世界仏教文化研究センター博士研究員。「ひらめきと創造的活動のプロセス―南方熊楠の『やりあて』に関する考察を中心に―」で第5回涙骨賞最優秀賞および早稲田大学小野梓記念学術賞を受賞。著書『南方熊楠の見た夢―パサージュに立つ者―』(勉誠出版、2014年)、『南方熊楠―日本人の可能性の極限―』(中公新書、2015年)など。専門は、哲学・倫理学、文化人類学。
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「やっぱり知りたい！南方熊楠」第1回 人生
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