『生まれてこない方がよかった』出版記念トークイベント in京都
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『生まれてこない方がよかった』出版記念トークイベント
「生まれてこないほうが良かった」なんて誰しも一度は思ったことがあるのではないでしょうか?
ベネターの正にその題名の本書は、しかしながら、そのような個人的な経験とはあまり関係がありません。ベネターは、あらゆる人が、そしてあらゆる意識のある生命体が、「生まれてこないほうが良かった」のだ、そして人類は(ひいては他の意識ある生命体も)絶滅に向かうのがよいことなのだと主張するのです。またよく読んでみると、これは非常に他者を思いやっているとても優しい思想のようなのです。なのにどうしてそんなことが言えるのでしょうか?
今回の講座では本書の概要を、その疑問に向き合いつつ、ハンス・ヨナスを研究する哲学者の戸谷先生とともに辿った後、質問や意見、批判を受けつけたいと思います。
ヨナスは存続していくべき人類への「未来への責任」を語った哲学者です。ベネターは、生まれてくることになる人々への責任から「生むべきではない」と断じます。どうして同じようなところから正反対の帰結が生まれるのでしょうか?
そんな疑問もまた足掛かりにして皆様と一緒にベネターへの理解を(同意するかはさておき)深めていきたいと考えております。
1976年生まれ。2004年、学習院大学大学院人文科学研究科哲学専攻博士後期課程単位修得退学。2007年、学習院大学より課程博士(哲学)を取得。現在、学習院大学文学部哲学科准教授。専門は古代ギリシャ哲学。著書に『プラトンの描いたソクラテス』(晃洋書房、2008年)が、主要な論文に「一九六四年の「アレーテイア」」(実存思想協会『実存と歴史』実存思想論集XIX, 2004年)、「おいしい武蔵野うどん」(日本うどん学会『うどん道』13, 2016年)、「アプレイウスによる哲学のすすめ」(ギリシャ哲学セミナー『ギリシャ哲学セミナー論集』14, 2017年)がある。
1988年生まれ。大阪大学大学院医学系研究科 医の倫理と公共政策教室 特任研究員。ドイツの現代思想を中心に、科学技術の社会への影響を哲学・倫理学の観点から研究している。また、市民に開かれた哲学の実践にも関心をもっている。西千葉哲学カフェを創設。著書に、『Jポップで考える哲学―自分を問い直すための15曲』(講談社、2016年)、『ハンス・ヨナスを読む』(堀之内出版、2018年)がある。
デイヴィッド・ベネター『生まれてこないほうが良かった―存在してしまうことの害悪』小島和男・田村宜義訳、すずさわ書店、2017年
参考文献ではなく当該のテキストですがよろしければご一読下さい。会場で割引販売も致します。
森岡正博「「生まれてくること」は望ましいのか―デイヴィッド・ベネターの『生まれてこなければよかった』について」、The Review of Life Studies、Vol. 3、2013年、1-9頁
おそらくこの論文のおかげでベネターと彼のアンチナタリズムが日本で有名になりました。
戸谷洋志『ハンス・ヨナスを読む』、堀之内出版、2018年
生命倫理・環境倫理の最初期の哲学者として知られるハンス・ヨナスの本邦初の入門書。小島は出版社が野猿二郎のすごく近所なことに驚きました。
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