やっぱり知りたい!萬葉集 in京都
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やっぱり知りたい!萬葉集
2019年4月1日、新元号「令和」の出典! と報道があってからというもの、にわかに注目を浴びている『萬葉集』。今回の元号は、史上初めて日本の文学由来であるものの、実は中国文学がその出典……という噂もあります。えっ、『萬葉集』って日本の歌集でしょう? なんで漢文が関係あるの? ていうか『萬葉集』って、「令和」の由来になった文章みたいに、和歌以外も載っているの?
この講座では、そんな新元号にまつわる気になる疑問に答えつつ、『萬葉集』が描こうとしたものは何だったのか、奈良時代の日本と現代日本に共通する感覚とはどのようなものなのか、探ってゆきます。
たとえば、みなさんが「和歌」と聞いて想像するであろう、百人一首や古典の教科書に載っている和歌。それらと『萬葉集』の和歌は、さまざまな点において異なっています。たとえば漢文の影響、奈良時代という社会の状況、和歌の成立時期……。私たちが暮らす現代とも似通う点を参照しつつ、一般にはあまり馴染みのない『萬葉集』の和歌を見てみたいと思います。『萬葉集』は、萬葉仮名(漢字で日本語の発音を表記する)で書かれているがゆえに、読みづらさから敬遠されやすく、日本の古典教育では見過ごされがちなのです。でもそんなの、すごくもったいない! 新元号の時代の幕開けとともに、『萬葉集』の魅力や価値がもっと評価されてもよいはずです。『萬葉集』を読んだことのない方にこそ、ぜひ触れてほしい和歌がたくさんあります。
日本の和歌といえば「あはれ」や「をかし」の感覚を描いたものだ、という通説が有名ですが、実はそれは氷山の一角に過ぎません。一首ずつ読んでゆく『萬葉集』は、現代の音楽や文学や生活にも通ずるところのある、魅力的なテキストなのです。
前編 13:00〜14:30 『萬葉集』は恋をする ―漢詩、古典、物語
『萬葉集』の歌人たちはどのようなものに影響を受けているのか? 気になる『萬葉集』と中国古典文学の影響関係や、『萬葉集』のなかの古典と現代の感覚、『萬葉集』に見える「七夕伝説」や「竹取物語」の原型。ただの歌集かと思っていたら、実はありとあらゆるジャンルが内包されている『萬葉集』の魅力に迫ります。「なぜ『萬葉集』はこのように発展していったのか?」という疑問を持ちつつ、和歌史における系譜と影響関係を一緒に追いかけてゆきましょう。
後編 15:00〜16:30 『萬葉集』に恋をする ―メタファー、漢字、作者
実際に『萬葉集』を読んでみるとき、一体どう読めば面白く解釈できるのか? 現代の『萬葉集』研究の解釈を参考にしつつ、実際に『萬葉集』の和歌を読んでみましょう。実は「メタファー」の概念が『萬葉集』解釈において非常に重要なのです。和歌という定型文のなかで感情や情景を表現するには、すべてを言葉であらわすのでなく、比喩表現に乗せることが必要でした。一目見ただけではぴんと来ない『萬葉集』の和歌も、作者や漢字の表記、そしてメタファーに注目すれば、面白いものだと分かるはず。一緒に歌を読みましょう。
会場:京都出町柳 GACCOH(京阪電車「出町柳駅」2番出口より徒歩5分)
主催:京都大学・人社未来形発信ユニット
企画・広報・運営協力:GACCOH
問い合わせ先:ukihss@bun.kyoto-u.ac.jp
1994年生まれ。高知県出身。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程中途退学。
大学院にて国文学(専門は萬葉集)を研究する傍ら、天狼院書店(京都天狼院)に開店時よりつとめた。2016年、天狼院書店のウェブサイトに掲載した記事「京大院生の書店スタッフが「正直、これ読んだら人生狂っちゃうよね」と思う本ベスト20を選んでみた。 ≪リーディング・ハイ≫」が2016年年間総合はてなブックマーク数 ランキングで第2位に。著書に外国文学から日本文学、漫画、人文書まで、人生を狂わされる本を50冊を選書した『人生を狂わす名著50』(ライツ社)がある。
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