松井裕美×平倉圭「絵画を考える/絵画は考える」 in東京
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松井裕美さんの『キュビスム芸術史――20世紀西洋美術と新しい〈現実〉』(名古屋大学出版会)は、絵画・彫刻などの作品の実践から理論や批評の言説にいたるまで、多面的かつ国際的な拡がりをもつキュビスムの歴史を、美術と現実の動的な関係を軸に描ききります。
平倉圭さんの新刊『かたちは思考する――芸術制作の分析』(東京大学出版会)は、セザンヌからスミッソンに至る近現代美術、ゴダールの3D映画、トンネル工事の記録写真、同時代の演劇やダンスなど、多様な芸術作品の制作過程を精密に分析した芸術論です。
キュビスムの作品を見ることは、単に造形作品の美的な鑑賞を意味するのではなく、対象をよく知ろうとする人間の認識メカニズムについての実験に参加することだとする松井さん。たいして平倉さんは、絵画の制作過程の分析をとおして、特定の形が実現してくる思考過程をみずからの身をもって再構成する実験を進めていきます。
ともに作品制作の実践と理論的言説を行き来しながらも、ちょうど鏡合わせのようなアプローチをとる二冊の本の著者に、芸術研究の最前線についてお話しいただきます。
【出演者プロフィール】
松井裕美(まつい・ひろみ)
神戸大学大学院国際文化学研究科専任講師。専門はフランス近現代美術。パリ西大学ナンテール・ラ・デファンス校博士課程修了。博士(美術史学)。著訳書に『非在の場を拓く――文学が紡ぐ科学の歴史』(共著、春風社、2019年)、ジョルジュ・ディディ = ユベルマン『受苦の時間の再モンタージュ』(共訳、ありな書房、2017年)ほか。
平倉圭(ひらくら・けい)
横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院准教授。専門は芸術学。東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)。著書に『ゴダール的方法』(インスクリプト、2010年。第2回表象文化論学会賞受賞)、『オーバー・ザ・シネマ 映画「超」討議』(共著、フィルムアート社、2018年)ほか。作品に『彫刻術としてのダンス』(神村恵・津田道子との共同制作、2019年)ほか。
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