「やっぱり知りたい!分析哲学ー認識論編ー」第1回 知識とは何か in京都
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本講座は、「分析哲学」と呼ばれるある哲学のスタイルを学んでいただくことを目的にしています。分析哲学とは、従来、自然科学と論理学の発展に影響を受けた、20世紀前半からの英米圏の言語哲学であると考えられてきました。しかし、近年では、分析哲学の歴史の中で培われてきた思考のスタイルが言語哲学以外の領域にも広く用いられるようになり、それらは「分析形而上学」や「分析美学」と呼ばれるまでになっています。その結果、現在、「分析哲学とは何か」という問いには、「英語圏の哲学全般である」というきわめて広い回答が与えられるでしょう。
そうした現状認識の上、本講座では、分析哲学の歴史や、分析哲学全般のおおざっぱな概説を与えるのではなく、トピックを絞り、みなさんと共に分析哲学的なスタイルで物事を考えてみるという実践的な作業を行いたいと思います。今回私が選んだのは「認識論」ですが、今回の講座で分析哲学の面白さを少しでも味わっていただけたなら、分析形而上学や心の哲学等、様々な分野をさらに学んでいただければと思います。
認識論は知識の哲学とも呼ばれ、人は何を知ることができるのか、知識は何によって正当化されるのかといった問題を扱ってきました。第一回では、「知識とは正当化された真なる信念である」というプラトン以来自明視されてきた知識の定義を学び、さらにその反例として非常に有名な「ゲティア論文」を読みながら、知識の定義そのものを考え直していきます。
第2回 懐疑論を考える「人は外界の物事について何も知ることはできないのではないか」という懐疑論をいかに論駁するかということは、知識の哲学にとって大きな課題の一つです。第二回では、デカルト的懐疑、ヒューム的懐疑、水槽の脳といったテーマを取り扱い、さらに懐疑論への反論としてのノージックらの試みをみてゆきます。
第3回 「自然化された認識論」の後に知識をより確実なもの(直接の感覚、言語の規約など)に基礎づけたいと考える伝統的認識論を批判したクワインは、「認識論の自然化」を説き現代の認識論に大きな影響を与えました。「われわれは実際にどのように認識活動を行っているか」という事実問題のみを追求する自然化された認識論では、認知科学や心理学といった学問に、哲学の役割が奪われてしまうのでしょうか。現代の自然科学と認識論の関係を考えます。
ナビゲーター:大阪市立大学文学研究科哲学専修 後期博士課程
専門はドナルド・デイヴィドソンの哲学を軸に据えた認識論および言語哲学
イベントHP>>>http://www.gaccoh.jp/?page_id=8857
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