nyx×GACCOH 「やっぱり知りたい!トマス・アクィナス -はじめてのスコラ哲学- 」 in東京

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nyx×GACCOH 「やっぱり知りたい!トマス・アクィナス -はじめてのスコラ哲学- 」

2018/5/20(日) 18:30~2018/5/20(日) 20:30

イベント受付開始時間 2018/5/20(日) 18:00~

双子のライオン堂

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nyx×GACCOH 「やっぱり知りたい!トマス・アクィナス -はじめてのスコラ哲学- 」

「スコラ哲学」のイメージといえば、中世という盲信・狂信の時代の、抽象的で瑣末な議論の寄せ集めであり、すでに過去のものとなっている……といったところでしょうか。本講座では、代表的思想家であるトマス・アクィナス(1224/25−1274)の議論を手引きに、このイメージを覆すことを目指します。
スコラ哲学最大の課題の一つは、理性と信仰の調和、あるいは理性の限界の探求です。この「理性」とは、私たち人間を人間たらしめているものです。つまりスコラ哲学は、何より私たち自身のあり方やあるべき姿、限界を考える哲学だったと言えるでしょう。さらにスコラ哲学では、こうして見えてくる限界の先に、人間の理性的能力を超えた世界の存在が示されます。平面図形に奥行きを加えるようにして、理性の世界に閉じこもっていては──敢えて「閉じこもる」と表現しますが──決して得られない洞察をスコラ哲学は与えてくれるのです。とはいえ、その議論はあくまで理性的であり、闇雲に聖書や聖人の言葉、神秘体験に頼ることはありません。こうした態度から学べるものは、理性的・科学的思考に価値を置き、「信仰」「神秘」といったものを少なくとも重視はしない現代の日本にあってなお、私たち自身を見つめる上で看過できないでしょう。

第一回 「神秘へと開かれた理性」
本講座、そして『Nyx』4号第一特集のテーマである「スコラ哲学」とは、そもそも何なのか。第一回では、最初にスコラ哲学全体の歴史的背景をおさらいしてから、代表的思想家トマス・アクィナスの主著『神学大全』を拾い読みし、理性と信仰との調和の問題が理性的な言葉で浮き彫りにされるさまを見ていきましょう。

第二回 「世界へと開かれた人間」
第二回では、スコラ哲学の具体例として、トマスの倫理学全体を基礎づける「善」論を扱います。少々マニアックな「超範疇概念(transcendentia)」の理論にスポットライトを当て、生き生きとした世界をありのままに受け取り、またそこから私たち人間のあるべき姿をも学び取る、そうした机上の空論ならざるスコラ哲学の実像をご紹介します。

第三回 「現代へと開かれたスコラ哲学」
現代においてスコラ哲学を学ぶ意義はあるのか。第三回では少し視点を変え、現代の哲学者マッキンタイアによる『Nyx』4号掲載の論文に注目してみます。彼の言う「トマス的実在論」に軸足を置き、スコラ哲学が現代においてもつ意義、投げかける問題を考察してみたいと思います。
 
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【参考文献】

  • nyx04











※本講座の教科書ではありませんので、事前の講読や持ち込みは不要です。

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日程:
第一回 「神秘へと開かれた理性」・・・2018年5月20日(日) 18:30-20:30
第二回 「世界へと開かれた人間」・・・2018年6月30日(土) 18:30-20:30
第三回 「現代へと開かれたスコラ哲学」・・・2018年7月29日(日) 18:30-20:30

 
 

ナビゲーター:

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野邊晴陽(のべ・はるひ)

1990年、埼玉県生まれ。2015年、慶應義塾大学大学院文学研究科(修士課程)修了。現在、東京大学大学院総合文化研究科(博士後期課程)在籍。日本学術振興会特別研究員。専門はスコラ哲学、特にトマス・アクィナスの倫理学。
 

さらに参考文献:

初級編
山本芳久『トマス・アクィナス 理性と神秘(岩波新書)』岩波書店、2017年。
コンパクトですが不用意な省略もなく、また読みやすい文章で、豊富な引用を交えつつ最先端の研究を紹介する、優れた入門書です。また、一般向け書籍の多くが形而上学的な側面に注目する一方で、本書がトマス思想の倫理学的な側面を中心に論じている点も大きな特徴です。でも何より魅力的なのは、本文全体に滲み出ている著者の「トマスに対する著者の『偏愛』(本書序文より)」です。

中級編
トマス・アクィナス『神学大全I・II(中公クラシックス)』(山田晶訳)中央公論新社、2014年。
トマス『神学大全』冒頭二十数問の邦訳です。読みやすい訳文もさることながら、何より用語に関する注が豊富で、大変勉強になります。形而上学的な内容が中心ですので、前掲書と合わせて読むとトマス思想の幅の広さを実感できると思います。実は、本書のもとになった『世界の名著 続5 トマス・アクィナス』(中央公論社、1975年)には訳者による序文がついていて、これもまた実に秀逸な入門書になっています(本当はこれが一番のおすすめです)。こちらは絶版のようですので、どこかで見かけたらぜひご一読を。

上級編
クラウス・リーゼンフーバー『中世思想史(平凡社ライブラリー)』(村井則夫訳)平凡社、2003年。
「中世」という時代を「キリスト教思想の成長」を中心に捉える本書は、「古典古代の文化とキリスト教信仰とがであった二世紀を出発点として」「ルネサンス人文主義と、十七世紀初頭における近世的世界の端緒にまで説き及ぶ(本書6頁)」壮大なものになっていますが、この整理の難しい時代を一貫した姿勢で(しかも文庫版という入手しやすい形式で)描ききる本書の存在からは、日本のスコラ哲学研究の水準の高さが分かります。

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2018/4/10(火) 09:00~

2018/5/20(日) 17:00

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第一回 「神秘へと開かれた理性」

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