小林秀雄と人生を読む夕べ【その7】美を求める心:「雪舟」 in東京
イベントは終了しました
小林秀雄と人生を読む夕べ【その7】美を求める心:「雪舟」
(第3回/全6回)
2017/12/21(木) 18:50~2017/12/21(木) 20:30
イベント受付開始時間 2017/12/21(木) 18:30~
ご案内は、編集担当者として小林秀雄にじかに接していた新潮社の元編集者、池田雅延氏です。
前半50分は各回の対象作品について池田氏がお話しします。後半40分は出席者全員での茶話会とし、池田氏が質問にお答えしたりしながら小林秀雄をより身近に感じるひとときを過ごします。
「小林秀雄と人生を読む夕べ」の6回シリーズ<美を求める心>の第3回は「雪舟」を読みます。
雪舟は、「破墨山水図」「天橋立図」など、数々の名品で知られる室町時代の水墨画家ですが、小林氏はある年、長さ15メートル以上にも及ぶという雪舟の大作「山水長巻」を、山口県の所蔵家の好意で心ゆくまで眺める機会に恵まれました。
こんなに心を動かされた山水図はいままで見たことがないと小林氏は言い、山水鑑賞が人生の目的になってしまったような男が山路を歩きだす、私もこの男と一緒に絵の中を歩きだすと筆を起し、男の目に映る水や岩を次々氏の文章に写していきます。
こうして出来上がった「雪舟」は、まさに氏の「山水長巻」の模写と言え、またこれは雪舟という峻烈に生きた禅僧の肖像画です。
読み進むにつれて、絵というものはこういうふうに見るものなのかという感動が襲ってきます。
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小林秀雄と人生を読む夕べ
第7シリーズ<美を求める心>について
【1】2017年10月19日 美を求める心 (昭和32年2月/54歳/第21集)<終了>
【2】2017年11月16日 鉄斎II (昭和24年3月/46歳/第17集)<終了>
【3】2017年12月21日 雪舟 (昭和25年3月/47歳/第18集)
【4】2018年1月18日 表現について (昭和25年4月/48歳/第18集)
芸術の表現とはどういうことかを、音楽を例にとって考えます。それはおのずと音楽はどう聴くかへと進み、音楽はただ聞えて来るものではない、聞こうと努めるものだ、それは、作者の表現しようとする意志に近づいていく喜びなのだ、とまず言います。ではどういうふうに近づいていくか。耳を澄ますよりほかはない、頭ではどうにもならない、黙って耳を澄ませ、自分の耳はどれだけの音を聞き分けているか、自ら自分の耳に問うというような忍耐強い修練、そこに一切があるのだ、と言います。
【5】2018年2月15日 ヴァイオリニスト (昭和27年1月/49歳/第19集)
小林氏の音楽好きは趣味の域をはるかに超え、音楽を聴くことは呼吸をしたり食事を摂ったりするのと同じとさえ言っていいほどでしたが、そこもさらにつきつめればヴァイオリンでした。ヴァイオリンの音色を一日耳にしないと落着かないというほどで、戦中戦後、海外のヴァイオリニストの来日が途絶え、昭和26年秋、戦後初めて来たメニューヒンを聴いたときは震えたり涙が出たりしたと言います。この文章は、そういう日頃の生活ぶりから語る<私は音楽とどう暮しているか>です。
【6】2018年3月15日 蓄音機 (昭和33年9月/56歳/第22集)
小林氏の音楽好きは明治40年代の初め、小学生の頃に始まりました。理科系の技術者であり発明家であった父親が、アメリカから買ってきてそのままにしていた蓄音機を勝手に愛玩していたそうです。蓄音機とはいってもエジソンが発明したのと大差はなかったろうという程度のものでしたが、それから急速に押寄せたレコード文化、オーディオ文化の波を順々に振返り、<私は音楽文化とどう接してきたか><その私はいま、音楽とどういう位置関係にあるか>を語る<小林秀雄音楽的小自叙伝>です。
☆いずれも各月第3木曜日、時間は午後6時50分~8時30分を予定していますが、やむを得ぬ事情で変更する可能性があることをご了承ください。
※購入されたチケットは理由の如何を問わず、取替・変更・キャンセルはできません。ご了承ください。
※開場は開演の20分前です。
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今までの「小林秀雄と人生を読む夕べ」について
2014年10月から始まったこの集いは、<天才たちの劇><文学を読むI><美を求めて><文学を読むII><歴史と文学><文学を読むIII>と6作品ずつ読んできて、今年の10月から始める第7シリーズは<美を求める心>です。
そして今後も、小林秀雄作品を6篇ずつ、半年単位で取り上げていく予定です。
*プロフィール
小林秀雄(こばやし・ひでお)
明治35年(1902)4月、東京に生れる。昭和4年(1929)27歳の夏、「様々なる意匠」によって文壇にデビュー、以来ほぼ半世紀、日本の近代批評の創始者、確立者として歩み続けた。昭和42年11月、文化勲章受章。昭和58年3月死去、80歳。
池田雅延(いけだ・まさのぶ)
昭和45年(1970)、新潮社に入り、「本居宣長」をはじめとする書籍の編集を通じて小林秀雄の肉声を聞き続けた。小林亡き後も第5次、第6次「小林秀雄全集」を編集、第6次全集では本文を新字体・新かなづかいで組み、全作品に脚注を施すなどの新機軸を打ち出した。
チケット情報
このチケットは主催者が発行・販売します
全4回通しチケット(茶菓つき)
第3回チケット(茶菓つき)
第3回神楽坂ブッククラブ会員限定(茶菓つき)
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