「やっぱり知りたい！対話篇 レヴィナス×メルロ＝ポンティ」第三回「政治」 in京都
イベントは終了しました
「やっぱり知りたい！対話篇」って？
ナビゲーターが各々の研究対象の見地から、一つのキーワードを巡って対話します。すでにこの世には存在しない者たちの思考に寄り添い、想像し、時には逸脱しながら、仮に対話する試みです。
今回の「対話篇」企画では、レヴィナスとメルロ＝ポンティという二〇世紀フランスを代表する二人の哲学者の思想を手がかりに、三つのキーワードをめぐって議論を行なってみたいと思います。
第一のキーワードは「他者」です。「他者」という問題は、二〇世紀のフランス思想を理解するためにも、さらにまた、排外主義や保護主義が力をもつ今日の社会状況を考えるためにも無視することのできない問題です。レヴィナスとメルロ＝ポンティは、ともにこの「他者」という問題を己の思想の核心に位置づけていました。しかし、レヴィナスが「顔」や「絶対的他者」といった概念に基づく独自の倫理を構想した一方で、メルロ＝ポンティはむしろ自己と他者の「相互性」や「共存」を重視し、そのことがレヴィナスや彼の影響を受けた思想家たちの批判を呼んだと一般には言われています。二人の哲学者がともに世を去った今、「他者」をめぐる彼らの思索がどのように評価されうるかをもう一度考えてみたいと思います。
第二のキーワードは「芸術」です。芸術もまた二〇世紀のフランス思想を理解するには欠かせないテーマですが、このテーマに対するレヴィナスとメルロ＝ポンティの立場は対照的です。メルロ＝ポンティが芸術（特に絵画と文学）を、彼の言う「生きられた世界」や大文字の「存在」を表現するための特権的な手段とみなしたのに対して、レヴィナスは初期の芸術論で、芸術を心地良い「リズム」の中で自己と他者を融け合わせてしまうものであると批判して以来、芸術に対しては一貫して距離を置く態度をとっていました。彼らのこうした立場の違いから、今日、芸術のあり方や存在意義について何が語れるでしょうか。そのことを皆様と一緒に議論してみたいと思います。
第三のキーワードは「政治」です。両者はサルトルのような自由論に抗しつつ、独特の政治活動の概念を提示しようとしています。一方でメルロ=ポンティが歴史的に条件づけられた社会的自由について思考したのに対し、レヴィナスは他者に応答することで歴史的階層性を抜け出す可能性について論じています。他者の議論とも呼応しながら、とくに共同体論として両者がどこで対立し、どこで和解しうるのかを考えたいと思います。宗教問題や民主主義など現代的問題を横断しながらアクチュアルな側面を探ります。
日程：
第一回 「他者」・・・・2017年7月23日(日) 19:00-21:00
第二回 「芸術」・・・・2017年8月12日(土) 19:00-21:00
第三回 「政治」・・・・2017年9月9日(土) 19:00-21:00
会場：京都出町柳 GACCOH（京阪電車「出町柳駅」2番出口より徒歩５分）
料金：各回 予約1,200円 / 当日1,500円
京都大学大学院 文学研究科 博士後期課程／パリ10 ナンテール大学 哲学科 修士課程
レヴィナス哲学を手がかりに、政治哲学、ユダヤ思想を研究。現在、パリに研究留学中。
京都大学大学院人間・環境学研究科 特定助教
メルロ＝ポンティを中心に、現象学、フランス哲学、言語哲学を研究。
学際教育の理論・歴史・実践についての研究も行なっている。
コメント
チケット情報
このチケットは主催者が発行・販売します
「やっぱり知りたい！対話篇 レヴィナス×メルロ＝ポンティ」第三回「政治」
販売条件
・イベント予約完了後のチケット代はご返金いたしかねますので、あらかじめご了承ください。
お支払い方法
チケットの取出し方法
お問い合わせ先
- メールアドレス
このイベントを見ている人にオススメ
読み込み中