リスク社会学入門 -『ポスト3・11のリスク社会学』刊行記念講座- in京都

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リスク社会学入門 -『ポスト3・11のリスク社会学』刊行記念講座-

2019/7/27(土) 13:00~2019/7/27(土) 16:30

イベント受付開始時間 2019/7/27(土) 12:30~

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リスク社会学入門 -『ポスト3・11のリスク社会学』刊行記念講座-

 わたしたちが生きているこの社会は、予想もできない自然災害や科学技術の暴走に誰もが直面する可能性のある「リスク社会」です。本講座では、現代社会を「リスク」という観点から捉えようとする、N.ルーマンやU.ベックらの「リスク社会学」のエッセンスをご紹介します。リスク社会学は、「未来の不確実性の増大」や「新しいリスクの登場」、「科学的非知の増大」など、新たな諸問題にさらされる現代社会のダイナミクスを捉えるために、1980年代以降発展してきました。日本でも東日本大震災以後大きく注目されています。しかし、新しい分野ということもあり、手ごろな入門書は多くありません。そこで本講座では、代表的論者たちの議論を整理することで、「リスク社会」の特徴とは何か、なぜ未来への不安が増大しているのか、「新しいリスク」や「非知」の登場により社会はどのように変化しているのか、などに対する見通しを得る一助となることを目指します。

日程:
1日目 2019年7月27日(土)13:00〜16:30
前半(第1回):リスク社会学はなぜ必要なのか
 初回は、「リスク」とは何か、なぜ社会学的視点が必要なのか、について、リスク現象に対するいくつかの異なる捉え方・アプローチを俯瞰しながら考えます。
 安全工学やリスクアセスメントなどの分野では、「リスク」は、「望ましくない結果がもたらされる可能性」として把握され、客観的な原因分析や確率計算 などが目指されます。対して社会学では、何が「望ましくない結果」とみなされるのか、いまだ現実化していない未来の可能性がどのように想像され恐れられるのかには、心理学が注目するような個々人の主観的傾向だけでなく、社会的な価値観や時間感覚、災厄認識の変化や多様性などが影響を及ぼしているのではないか、という点から出発します。社会や文化、時代が変われば、また職業や年齢、社会的立場などが変われば、「リスク」に対するイメージや捉え方も変わるのではないかという出発点にその特徴の一つがあります。

後半(第2回):ルーマンのリスク社会論
 第2回は、『リスクの社会学』で知られるニクラス・ルーマンのリスク社会学のエッセンスを整理します。中でも、ルーマンが提唱する構築主義的アプローチ、リスク/危険の区別、近代化に伴う時間意識の変化、決定者と被影響者のコンフリクトの激化などの論点に注目します。
 ルーマンによれば、現代社会は、様々な脅威や問題を、かつてのように神や自然などによって引き起こされる「危険」として捉えるのではなく、人間自身の決定や選択によって引き起こされる「リスク」として把握しようとする「リスク社会」です。その種の社会では、リスク問題をめぐり「決定者」と「被影響者」という二陣営が分極化し、社会的対立が深刻化します。それはなぜなのでしょうか。こうした議論を辿りながら、「リスク社会」の特徴と課題をルーマンがいかに捉えたのかを整理します。

2日目 2019年7月28日(日)13:00〜16:30
前半(第3回):ベックのリスク社会論
 第3回は、『危険社会』『世界リスク社会』等で知られるウルリッヒ・ベックのリスク社会論のエッセンスを整理します。中でも、ベックが論じた「第二の近代」「新しいリスク」「組織化された無責任」などに注目します。
 ベックは、原発事故による放射能汚染や地球温暖化など、近代科学技術に由来し、その被害範囲を時間的・空間的・社会的に限定できない新たな種類の脅威を「新しいリスク」と呼び、それに直面する社会を(ルーマンとは異なる意味合いで)「リスク社会」と呼びました。この種の社会では、国境を超えた不安に基づく連帯の可能性も生まれますが、同時に、新しいリスクとその社会的責任を否定し隠蔽しようとする「組織化された無責任」の体系も強力に働いています。なぜでしょうか。こうした論点を辿りながら、「リスク社会」の特徴と課題をベックがいかに捉えたのかを整理します。

後半(第4回):ポスト3.11のリスク社会学
 最終回は、ここまで検討してきたリスク社会学の枠組みをどう活用することができるのかに関して、一例として、拙著『ポスト3.11のリスク社会学』第3章で試みた福島原発事故をめぐる論争の分析をご紹介します。
 ここで考えたいのは、福島原発事故という未曾有の原子力災害を経験したにもかかわらず、なぜ、いかにして、3.11後の日本社会は原子力エネルギーへと回帰しえたのか、です。リスク社会学を頼りにすることで、自民党政権による原発推進政策の復活という出来事を超えた、その背後にある「リスク社会」の逆説的な力学を抽出することができます。
 

 
主催:京都大学・人社未来形発信ユニット
広報・運営協力:GACCOH
問い合わせ先:ukihss@bun.kyoto-u.ac.jp
 
 
ナビゲーター:

井口暁(いぐち・さとし)
京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。2018年3月に「科学技術リスクをめぐる対立と調停に関するリスク社会学的研究」で博士号(文学)を取得。
現在、日本学術振興会特別研究員(PD)、京都大学非常勤講師他。
専門は、リスクと非知の社会学、コミュニケーション論、ルーマン研究など。
著書に『ポスト3・11のリスク社会学――原発事故と放射線リスクはどのように語られたのか』(ナカニシヤ出版, 2019)がある。主な論文に「リスクと危険の帰属をめぐるコンフリクト」(『ソシオロジ』, 2014)、「ルーマンの政治理論は何を目指したのか(上・下)」(『京都社会学年報』, 2014, 2015)、「異質性を基礎とした協同形式としての了解」(『ソシオロジ』, 2017)などがある。

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