第136回 詩の読書会「ポエトリーカフェ〈暮らしと詩〉~茨木のり子・高田敏子・石垣りん」(定員16名)
イベントは終了しました
第136回 詩の読書会「ポエトリーカフェ〈暮らしと詩〉~茨木のり子・高田敏子・石垣りん」(定員16名)
Zoomを使った、気さくな詩の学び場です。
2021/11/27(土) 15:00~2021/11/27(土) 17:30
イベント受付開始時間 2021/11/27(土) 14:30~
~10/30に江東区・砂町図書館にて開催の〈出張ポエトリーカフェ〉のリターンズ篇として、同内容の会をZOOMで行います!~
今回のテーマは、商店街にちなみ〈暮らしと詩〉として。
茨木のり子 高田敏子 石垣りん
この三人の詩人を取り上げます。
教科書をはじめとして、彼女たちの作品に出会い、親しまれてきたかたがたもきっと多いことでしょう。
三人とも、日本の戦後詩を代表する詩人ですが、生き方も作風もひじょうに対照的で、どの詩人にも異なる強烈な魅力があります。
彼女たちの、暮らしや生活、思想にちなんだ作品に皆で楽しくふれてみませんか。
この会では、Pippoが作家の生涯を紹介しつつ、みなさまとともに詩をよみ(お一人ずつ朗読、感想など)自由に語らってゆきます。お好きなかたも、気になるけどあまりよく知らない、というかたも大歓迎!(知識・予習なしでもOK)。どうぞ、どなたでもお気がるにご参加くださいね。
*1:会で使用する〈年譜・テキスト〉は事前にpdfにてご送付します。紙のテキストでご希望のかたには郵送いたします(その場合、11/22(月)までにお申しつけください)。
*2:受付後、開催日の前日にミーティングルームのURLをご送付します。
*3:Zoomのミーティングルームは開催の30分前(14:30)に開場します。音声・カメラなど不安なかたはテストできますので、お早めにお入りください。
*2:受付後、開催日の前日にミーティングルームのURLをご送付します。
*3:Zoomのミーティングルームは開催の30分前(14:30)に開場します。音声・カメラなど不安なかたはテストできますので、お早めにお入りください。
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〈詩をチョコっとご紹介〉
《茨木のり子》
「自分の感受性くらい」
ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを
暮しのせいにはするな
そもそもが ひよわな志(こころざし)にすぎなかった
駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ
(『自分の感受性くらい』(一九七七)より)
「最後の晩餐」
明日は入院という前の夜
あわただしく整えた献立を
なぜいつまでも覚えているのかしら
箸をとりながら
「退院してこうしてまた
いっしょにごはんを食べたいな」
子供のような台詞にぐっときて
泣き伏したいのをこらえ
「そうならないで どうしますか」
モレシャン口調で励ましながら
まじまじと眺めた食卓
昨夜の残りのけんちん汁
鶏の唐揚げ
ほーれん草のおひたし
我が家での
それが最後の晩餐になろうとは
つゆしらず
入院準備に気をとられての
あまりにもささやかだった三月のあの日の夕食
(『歳月』(二〇〇七)より)
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《高田敏子》
「主婦の手」
ながい年月お台所をしてきました
刻むことも 焼くことも
お掃除も せんたくも
みんな手馴れて順序よく
目をつぶってもできるように
なってしまいました
毎日何かしらん娘にも教えます
セーターの洗い方
揚げものの火かげん
そして ときに
ふっとさびしくなるのです
みんな知ってしまったさびしさ
みんな知ってしまった年月
みんな知ってしまった私の手と
娘の 美しい手
(『にちよう日』(一九六六)より)
「紅(くれない)の花」
やさしさとは
ほうれん草の根元の
あの紅の色のようなものだと
ある詩人がいった
その言葉をきいた日
私はほうれん草の一束を求めて帰り
根元の紅色をていねいに洗った
二月の水は冷たい
冷たい痛さに指をひたしながら
私のやさしさは
ひとりの時間のなかをさまよっていた
(『あなたに』(一九七四)より)
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《石垣りん》
「時の記念日に」
私たちが一日のうちに
一番たくさん問いかけること
いま 何時?
自分に向かって
周囲の人に向かって。
それはたやすく答えられる
時計さえあれば
ちいさな子供でも答えられる。
単純明快な時刻というもの
自分も他人も信じて疑わないもの
これほどかたちのない
これほど正確なものが存在するだろうか。
しかもなお
限りなく尋ね続ける
生きている命の
この一瞬
いま、何時?
(『やさしい言葉』(一九八四)より》)
「貧しい町」
一日働いて帰ってくる、
家の近くのお惣菜屋の店先きは
客もとだえて
売れ残りのてんぷらなどが
棚の上に まばらに残っている。
そのように
私の手もとにも
自分の時間、が少しばかり
残されている。
疲れた 元気のない時間、
熱のさめたてんぷらのような時間。
お惣菜屋の家族は
今日も店の売れ残りで
夕食の膳をかこむ。
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チケット情報
このチケットは主催者が発行・販売します
【第136回】ポエトリーカフェ〈暮らしと詩 篇〉(Zoomを使った詩の読書会)
1,200円
〈キャンセル待ち〉【第136回】ポエトリーカフェ〈暮らしと詩 篇〉(Zoomを使った詩の読書会)
無料
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