【神田伯剌西爾】第153回 ポエトリーカフェ・立原道造 篇 in東京

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【神田伯剌西爾】第153回 ポエトリーカフェ・立原道造 篇

双方向コミュニケーション型《気さくな詩の読書会(学び場・朗読)》

2024/5/26(日) 10:00~2024/5/26(日) 12:00

神田伯剌西爾(神保町)

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第153回【ポエトリーカフェ:立原道造 篇】

[日時] 5/26(日)10:00~12:00(定員14名ほど)
      ※1ドリンク、オーダー別
    ※当会限定「ポエトリーおやつ」!あり(伯剌西爾さん協力)
[会場]神田伯剌西爾(神保町)*右の小部屋
       ※半蔵門線・三田線・新宿線「神保町」A7出口徒歩3分
      書泉グランデ脇小宮山ビルB1F(小宮山書店の脇道を入って右の地下)

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五月のそよ風をゼリーにして持つて来て下さい。非常に美しくておいしく、口の中に入れると、すつととけてしまふ青い星のやうなものも食べたいのです」

祝!生誕110年――ということで。
2024年・初夏のポエトリーカフェは、こんな言葉をのこした、立原道造さん回です。

高原にすきとおった風がふきぬけるような… やわらかであまく、どこかさびしげな道造の詩の世界。詩人として生きる傍ら、建築家・画家としても類い希なる才能を発揮した、その生涯。かれの詩や生き方をみてゆくと、そのやさしげな詩風のうしろに、周囲に惑わされず、おのが心の大切な領域を守り、自己を貫くんだ、という強い信念や気概がかんじとれて。
これは現代社会においても、大切な心のありようかなと思います。

道造さんが世を去って85年のたったいま。
かれの生をたどりながら、その詩をみなで読み、あじわうひとときを過ごせたらと。
道造さんをおすきなかたも、興味はあるけどよく知らないというかたも、どうぞ、気軽に参加くださいね。

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立原 道造(1914-1939/ 大3-昭14)
詩人・建築家 /東京生

【略歴】1914年7月、東京日本橋区橘町三丁目一番地(現 中央区東日本橋3-9-2付近)に出生。優秀な成績で中学入学。この頃より、パステル画を始め、絵画や短歌・詩の才能が萌芽。詩作に熱中。20歳、東京帝国大学(現東大)建築科入学。堀辰雄に師事、第二次「四季」同人に。ソネット形式を用いた造形的な詩や、やわらかで清純・典雅な抒情が特徴的。堀辰雄・室生犀星らとの親密な交流から、毎夏のように軽井沢に滞在。帝大在学中には辰野金吾賞を三回受賞するなど建築家としても将来を嘱望された。37年卒業、建築事務所で働きながら詩作を続けた。第一回中原中也賞受賞。24歳で惜しまれつつ、早逝。

[ちょこっと詩を紹介]

「のちのおもひに」

夢はいつもかへつて行つた 山の麓のさびしい村に
水引草に風が立ち
草ひばりのうたひやまない
しづまりかへつた午さがりの林道を

うららかに青い空には陽がてり 火山は眠ってゐた
――そして私は
見て来たものを 島々を 波を 岬を 日光月光を
だれもきいてゐないと知りながら 語りつづけた……

夢は そのさきには もうゆかない
なにもかも 忘れ果てようとおもひ
忘れつくしたことさへ 忘れてしまつたときには

夢は 真冬の追憶のうちに凍るであらう
そして それは戸をあけて 寂寥のなかに
星くづにてらされた道を過ぎ去るであらう

 *

「ゆふすげびと」

かなしみではなかつた日のながれる雲の下に
僕はあなたの口にする言葉をおぼえた、
それはひとつの花の名であつた
それは黄いろの淡いあはい花だつた、

僕はなんにも知つてはゐなかつた
なにかを知りたく うつとりしてゐた、
そしてときどき思ふのだが 一体なにを
だれを待つてゐるのだらうかと。

昨日の風は鳴つてゐた、林を透いた青空に
かうばしい さびしい光のまんなかに
あの叢に咲いてゐた、そうしてけふもその花は

思ひなしだか 悔ゐのやうに――。
しかし僕は老いすぎた 若い身空で
あなたを悔ゐなく去らせたほどに!


「草に寝て……」
     六月の或る日曜日に

それは 花にへりどられた 高原の
林のなかの草地であつた 小鳥らの
たのしい唄をくりかへす 美しい声が
まどろんだ耳のそばに きこえてゐた

私たちは 山のあちらに
青く 光つてゐる空を
淡く ながれてゆく雲を
ながめてゐた 言葉すくなく

――しはわせは どこにある?
山のあちらの あの青い空に そして
その下の ちひさな 見知らない村に

私たちの 心は あたたかだつた
山は 優しく 陽にてらされてゐた
希望と夢と 小鳥と花と 私たちの友だちだつた


【参考図書】
*廉価で入手しやすいものとしては『立原道造詩集』(ハルキ文庫)、『立原道造詩集』(岩波文庫)など。全集は最新のものとしては筑摩書房『立原道造全集(全五巻)』があります(図書館などでどうぞ)。

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【ポエカフェって何?】
「ポエトリーカフェ」とは、2009年秋より「入りやすい、詩の入口を作ろう!」との思いでスタートした《気さくな詩の学び場》です。詩の活動を始めて以来「興味はあるけど、誰からなにから、読んだらいいのか」「楽しみ方が分からない」という方々に多く出会ってきました。
そんな方々のなにか手がかりになれればと、こんな会をやっています。

ポエカフェ本編に入る前にミニ自己紹介を設け、Pippoが詩人の生涯を紹介しながら、
ご参加の方々に朗読いただき、自由に感想をのべてもらい、語らったり、自然に詩や詩人と親しめる流れをつくっています。
詩や詩人についての知識などなくても大丈夫。初めてのかたも大歓迎です!

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[ご参加の方へ]
★会で使用する〈テキスト〉は事前にpdfにてご送付します。紙のテキストでご希望のかたには、郵送します。

[ご参加にあたってのお願い]
★コロナ等の感染対策として、会場ではマスクの着用をお願いいたします。
★〈会で使用するテキスト〉は少人数の本講座用に作成したものです。コピー配布や、第三者へ貸与など、受講目的以外の用途で使用することは、お控えください。
★〈ポエトリーカフェ〉は、みなで作品や詩人にふれて、楽しむことを目的とした会です。他のご参加者のかたがたへの強い批判・否定、またハラスメントにあたる言動等はお控えください。注意してもやめない場合、退場いただくこともあります。

《追記(4/24)》
★世界・国内情勢を鑑みて、2024年中に当方で開催の「ポエトリーカフェ」ご参加費の半額を(戦地などでの)救命支援団体、(被災地等の)復興支援 などへの送金にあてさせていただきます。予めご了承ください。

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2024/4/24(水) 17:00~

2024/5/19(日) 11:00

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