第143回 詩の読書会「ポエトリーカフェ〈杉山平一〉篇」(定員16名)
イベントは終了しました
ZOOM を使った、気さくな詩の学び場です。今回は、福島県出身で、神戸を代表する詩人の 杉山平一さん をとりあげます。
この会では、Pippoが詩人の生涯を紹介しつつ、みなさまとともに詩をよみ(お一人ずつ朗読、感想など)自由に語らってゆきます。平一さん をお好きなかたも、気になるけどあまりよく知らない、というかたも大歓迎!(知識・予習なしでもOK)
おトクな初ご参加枠もございます(ZOOMでの会は初参加というかたも適用されます!)
どうぞ、どなたでもお気がるにご参加くださいね。
【杉山平一 略歴】(1914ー2012)詩人・映画評論家
福島県会津若松市生まれ、神戸・大阪育ち。
映画評論のかたわら、20代前半で詩の才能を発揮し、「四季」同人になり、発表した一連の作品で第二回中原中也賞を受賞。「詩人」として将来を嘱望されながら、父親の経営する工場(尼崎精工)を支え、再建させるために全力を尽くし、戦中・戦後の25年間ほどは詩作どころではない生活を余儀なくされる。のち大学教授の座を得て、50代を迎える頃、ようやく落ちついて詩を書ける環境になる。
素朴・簡潔でありながら、弱き者や、市井の 人々の痛みやかなしみ、喜びによりそい、励ますような詩をかきつづける。97歳で刊行した最後の詩集は『希望』(2011/編集工房ノア)。
==〈詩をチョコっとご紹介〉======
「わからない」
お父さんは
お母さんに怒鳴りました
こんなことわからんのか
お母さんは兄さんを叱りました
どうしてわからないの
お兄さんは妹につっかかりました
お前はバカだな
妹は犬の頭をなでて
よしよしといいました
犬の名はジョンといいます
(『希望』2011)
「単純について ――父に」
青い切手が
手紙をとおく運ぶように
小さな切符が
私をはるかに運んで行きます
切符には
あなたの言葉が
刻印されています
シンプル イズ ベスト
単純は 最善だ と
たとえ 乗り継ぎ
乗り換えがあったとしても
この切符を握りしめて
私は行き 行き
どこまでも行くでしょう
(『木の間がくれ』1987)
「花火」
オスカーワイルドは書いていた
高く 高く 空高くあがつて
赤、青、黄色に爆発する筈の花火が
どぶに沈められているのを
自分のことが書かれているのだと思つて
それを読んで僕は泣いた
(『声を限りに』1967)
「機械」
古代の羊飼ひが夜空に散乱する星々を蒐(あつ)め
て巨大な星座と伝説を組みたてて行ったやうに いま
分解された百千のねぢ釘と部品が噛み合ひ組み合は
され 巨大な機械にまで結晶するのを見るとき 僕
は僕の苛だち錯乱せる感情の片々が一つ
の希望にまで建築されゆくのを感ずる
(『夜学生』1942)
==【参考文献】======
〈詩集〉
単行本詩集に『夜学生』『ミラボー橋』『声をかぎりに』『ぜぴゅろす』『木の間がくれ』『希望』他
『現代詩文庫 杉山平一詩集』、『杉山平一全詩集』(上下二巻)等
★3:Zoomのミーティングルームは開催の30分前(14:30)に開場します。音声・カメラなど不安なかたはテストできますので、お早めにお入りください。
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【キャンセル待ち】第143回 詩の読書会「ポエトリーカフェ〈杉山平一〉篇」(ZOOM)
【初参加枠】第143回 詩の読書会「ポエトリーカフェ〈杉山平一〉篇」(ZOOM)
予定枚数終了
第143回 詩の読書会「ポエトリーカフェ〈杉山平一〉篇」(ZOOM)
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