第144回 詩の読書会「ポエトリーカフェ〈草野心平〉篇」(定員16名)
イベントは終了しました
ZOOM を使った、気さくな詩の学び場です。今回は福島県いわき市出身の詩人・草野心平をとりあげます。
この会では、Pippoが詩人の生涯を紹介しつつ、みなさまとともに詩をよみ(お一人ずつ朗読、感想など)自由に語らってゆきます。草野心平さん をお好きなかたも、気になるけどあまりよく知らない、というかたも大歓迎!(知識・予習なしでもOK)
おトクな初ご参加枠もございます(ZOOMでの会は初参加というかたも適用されます)
どうぞ、どなたでもお気がるにご参加くださいね。
【草野心平(1903~1988)福島県石城郡上小川村(いわき市小川町)出身
1903年、福島県いわき市に5人兄弟の次男として出生。兄・民平、弟・天平も詩を書いた。幼い頃からわんぱくで、本を食いちぎり、鉛筆をかじり、誰かれとなく人に噛みつく〈野生児〉の激しさをもった、ひどくの癇の強い子供だった。16~17歳で英語・北京語を学ぶ。18歳、中国広州の嶺南大に留学。広州にて在学中、大正14年詩誌「銅鑼(どら)」創刊。帰国後の1928年、地べたを這いずり生きる者の視点で、アナーキスティックな心情を蛙(かえる)に託した第1詩集「第百階級」をだし、「学校」を創刊。昭和10年「歴程」創刊に参加し、戦後は主宰。1948年「定本蛙」で第1回読売文学賞。1975年に芸術院会員、のち文化勲章うける。翌、1988年11月12日死去。享年85。「蛙はでつかい自然の讃嘆者である」(『第百階級』より)。蛙や山の詩などがよく知られる。 生涯、自然と人間、生活に即した民衆のための詩をかいた。
~~~【詩をちょこっとご紹介】~~~~~~~
「秋の夜の会話」
さむいね
ああさむいね
虫がないてるね
ああ虫がないてるね
もうすぐ土の中だね
土の中はいやだね
痩せたね
君もずゐぶん痩せたね
どこがこんなに切ないんだらうね
腹だらうかね
腹をとつたら死ぬだらうね
死にたくはないね
さむいね
ああ虫がないてるね
(1928年『第百階級』) *蛙の視点で書かれた詩
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(序詩より)(抄)
自然と人間のなかにはいると。
そのまんなかにはいつてゆくと。
かなしい湖が一つあります。
その湖がおのずから沸き。
怒りやよろこびに波うつとき。
かなしみうずき爆破するとき。
わたくしに詩は生れます。
(1944年『第百道』序詩より)
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「聾(つんぼ)のるりる」(抄) *るりる=蛙
すかんぽさん。夢みることはいけないでせうか。眠つてみる夢ではなく眼をあいて見る夢です。あたくしたちの幸福を夢みることはいけないでせうか。あたくしがこの耳で雨の音などをきくことが出来ました頃。お母さんはあたしたちの先祖のお話をしてくだすつたことがあります。それはまだこの世に雪のないずつと遠くのことなんですけれど。あたくしはそのお話を半分ほどもきかないうちにもう泪がでてなりませんでした。でも御覧。こんなにあたしたちは立派なのです。楽しく歌ひ。自然は泪も出しきれないほど美しく。ねえほら。みんな泳いだり浮んだり。さ。ね。お前も歌ふんだよ。るるつていつて御覧。さうさう。
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「ごびらっふの独白」(抄)
るてえる びる もれとりり がいく。
ぐう であとびん むはありんく るてえる。
けえる さみんだ げらげれんで。
くろおむ てやあら ろん るるむ かみ う りりうむ。
なみかんた りんり。
なみかんたい りんり もろうふ ける げんけ しらすてえる。
けるぱ うりりる うりりる びる るてえる。
【日本語訳】
幸福といふものはたわいなくっていいものだ。
おれはいま土のなかの靄のような幸福に包まれてゐる。
地上の夏の大歓喜の。
夜ひる眠らない馬力のはてに暗闇のなかの世界がくる。
みんな孤独で。
みんなの孤独が通じあふたしかな存在をほのぼの意識し。
うつらうつらの日をすごすことは幸福である。
(1948年『定本 蛙』より) *蛙語で書かれた詩
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「百姓といふ言葉」(抄)
百姓といふ言葉はいい言葉だ。
一人で百の姓をもつ。
その豪儀。
その個と。
連帯。
恰度二十年。
野菜作りを続けてゐるが。
あこがれの百姓には未だなれない。
昔で言へば奴さん位のもので。
百姓といふ名にはなれないけれど。
戦災焼け跡の瓦礫の土地や。
雑草石ころの荒地を開墾したのである。
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「菜の花と雲雀」
菜の花ばたけから。
とびたつ雲雀。
天を流れる
piccolo
さうして。また。
菜の花ばたけに。
とび降りる雲雀。
(1976年『植物も動物』)
【参考文献】安価で入手できる、詩集としては『草野心平詩集』(ハルキ文庫)、『草野心平詩集』(岩波文庫)があります。
★3:Zoomのミーティングルームは開催の30分前(14:30)に開場します。音声・カメラなど不安なかたはテストできますので、お早めにお入りください。
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【キャンセル待ち】第144回 詩の読書会(ZOOM)「ポエトリーカフェ〈草野心平〉篇」
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予定枚数終了
第144回 詩の読書会(ZOOM)「ポエトリーカフェ〈草野心平〉篇」
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