「やっぱり知りたい!ジャック・デリダ」第1回「なぜ形而上学が批判されるのか――デリダと差延」 in京都

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「やっぱり知りたい!ジャック・デリダ」第1回「なぜ形而上学が批判されるのか――デリダと差延」

2018/1/21(日) 18:00~2018/1/21(日) 20:00

イベント受付開始時間 2018/1/21(日) 17:30~

GACCOH

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やっぱり知りたい!ジャック・デリダ

この講座では、20世紀フランスを代表する哲学者ジャック・デリダ(Jacques Derrida, 1930-2004)を取り上げます。

 デリダといえば、多くの方は「脱構築(déconstruction)」という言葉を真っ先に思い浮かべるだろうと思います。この言葉は、伝統的な哲学に対峙するデリダ独自の立場を示すものとして知られ、哲学のみならず精神分析・文芸批評・建築・政治思想など数多くの分野に影響を与えてきました。しかし、「脱構築」が具体的にどのような立場を意味するのかについては、デリダ自身がはっきりとした定義を与えていないこともあって、必ずしも明確ではありません。それまでの哲学が前提としてきた概念図式の解体、テクスト読解の新たな方法論の構築等々、「脱構築」には様々な規定が与えられてきました。そのため、彼の思想を特徴づけるキーワードでありながらも、「脱構築」という言葉ほどデリダの哲学を難しくしているものはないと言っても過言ではないでしょう。
 しかし、デリダにとって「脱構築」とは、他の多くの哲学者と同様に、彼が従来の哲学を再解釈するなかで生じた立場であり、彼なりの哲学の実践でもありました。だとすれば、次のように問うことができるでしょう――「脱構築」が哲学の捉え直しであるとすれば、彼が読み直そうとした哲学的な問題とはどのようなものだったのか? そしてなぜそれが彼にとって哲学の実践に結びついていたのか? 今回の講座では、デリダにとって「哲学とはなにか」という観点から、「脱構築とはなにか」という問題について皆さんと一緒に考えてみたいと思います。

第1回「なぜ形而上学が批判されるのか――デリダと差延」では、デリダの形而上学批判を取り上げます。伝統的な形而上学をどのように捉えるべきなのか、そしてそれをどう乗り越えるのかという問題は、20世紀の哲学者にとって重要な課題でした。それは、従来の哲学的立場を現前(性)の形而上学あるいはロゴス中心主義として批判するデリダにとっても同じでした。しかし彼にとって形而上学批判は、それまでの哲学に対する一方的な非難ではなく、その読み直しによる批判的な相続を意味していました。第1回では、「現前性」と「差異」という二つのテーマを中心に、彼がそれまでの哲学の問題系をどのように読み直そうとしたのかを概観したいと思います。
キーワード:現前性、同一性、差異(差延)

第2回「どのような点で他者が問題になるのか――デリダと他者」では、デリダの他者論を取り上げます。レヴィナスからインスピレーションを受けて、1980年代中頃からデリダは自身の思想の中核に「他者」の問題を置くようになります。「差異」や「遊戯」を強調するそれまでの立場とは打って変り、この時期のデリダは政治論的・宗教論的な文脈から「他者」を扱うため、彼の思想には「転回」があったのだと考える研究者もいます。それでは、この時期に強調される「他者」の問題は、それ以前の思想とはまったく異なるものなのでしょうか。それともなにかしらの関連性をもっているのでしょうか。第2回では、多様な文脈で用いられる「他者」の意味を整理しつつ、デリダが「他者」という言葉でなにを思考しようとしていたのかについて考えてみたいと思います。
キーワード:他者、到来、出来事

第3回「脱構築とはなにか――デリダと哲学」では、第1回と第2回の内容をふまえながら、デリダにおける「哲学すること」についてお話したいと思います。「哲学することとはなにか」について彼が積極的に語ることはありませんでしたが、いくつかのテーマからそれを想像してみることはできます。そのようなテーマの一つとして「反復」という概念があります。反復とは文字通り、なにかを繰り返すことですが、この言葉のなかに彼が見て取っていたのは、かつてあったものを同じままに繰り返すことではなく、反復されながらもそれまでとは別のものが生じている、ということでした。このような経験がデリダの哲学観と深いところで結びついています。そこで、この講座の最終回では、反復概念を糸口として、これまで取り上げてきた差異や他者の問題も織り交ぜながら、彼にとって「哲学すること」とはどのようなものであったのかを考えてみたいと思います。
キーワード:反復、差異、他者

 
 
日程:
第1回 「なぜ形而上学が批判されるのか――デリダと差延」・・・・2018年1月21日(日) 18:00-20:00
第2回 「どのような点で他者が問題になるのか――デリダと他者」・・・・2018年2月24日(土) 18:00-20:00
第3回 「脱構築とはなにか――デリダと哲学」・・・・2018年3月24日(土) 18:00-20:00
 
 
会場:京都出町柳 GACCOH(京阪電車「出町柳駅」2番出口より徒歩5分)
料金:各回 予約1,200円 / 当日1,500円(全3回通しチケット 3,000円)

※「ナンシー&デリダ」割 全6回通しチケット 4,500円
同時期に開催中の「やっぱり知りたい!ジャン゠リュック・ナンシー(全3回)」も全てまとめて受けてみようというツワモノに向けた割引チケット。

 
 

ナビゲーター: 松田智裕(まつだ・ともひろ)

立命館大学文学研究科哲学専修博士後期課程。
専門は哲学、とりわけデリダを中心とした現代フランス哲学およびフランスにおけるドイツ哲学受容史。
 
 

参考文献:

入門:高橋哲哉『デリダ――脱構築』(講談社)
デリダに関する入門書はいくつかありますが、そのなかでも本書はおすすめの一冊です。難解で知られる彼の思想がクリアに紹介されており、主要著作の解題も付録されています。著者の明快な解説をとおして、デリダ哲学の主要問題をバランスよく概観できるはずです。

中級:マーティン・ヘグルンド『ラディカル無神論』(法政大学出版局)
スウェーデン生まれの気鋭のデリダ研究者による研究書です。従来のデリダ研究の文脈をふまえつつ、それが取りこぼしてしまった論点を再構成しながらデリダ哲学のポイントをクリアに提示してくれています。これまでデリダの哲学がどのように理解されてきたのか、それはどのような点で問題含みなのか、現代の思想潮流において彼の哲学はどのようなアクチュアリティをもっているのか、こうした問題について考えさせてくれる一冊です。

上級:ジャック・デリダ『根源の彼方に――グラマトロジーについて』(現代思潮新社)
デリダ哲学の主要問題についてある程度イメージが固まってきたら、今度は彼の著作に直に触れてもらうのがよいと思います。彼の著作はほとんどが難解で、本書もかなり難解な部類に入りますが、それでもおすすめする理由は二つあります。まず、本書は彼の思想のエッセンスが散りばめられた代表作であること、次に本書は訳者による膨大な訳注が付されており、それらが難解な彼の議論を理解する手助けをしてくれることの二点です。一読しただけでは何の話をしているのかさっぱりわからないと思われるかもしれませんが、何度も読み直すうちに旨味がじわじわとでてくる不思議な一冊です。

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チケット情報

このチケットは主催者が発行・販売します

「やっぱり知りたい!ジャック・デリダ」全3回通しチケット

3,000円

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「やっぱり知りたい!ジャック・デリダ」第1回「なぜ形而上学が批判されるのか――デリダと差延」

1,200円

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「ナンシー&デリダ」割 全6回通しチケット

4,500円

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