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朝だからって
幽霊は消えてなくなる
わけじゃない 逆にどうなんだろうと彼女は考えた。突然じゃない知らせってあるものなのか。いつだって誰かに不意に告げられる、それが「知らせ」だ。中身によるところはある確かに。知らされた中身に戸惑って「そんなこと突然に言われても」とつい口にしてしまう。嫌だった。受け取りたくなかった。けれども「知らせ」とは受け取ることで初めて「知らせ」になるものだし拒めない。そして知ってしまえばもうどうしようもない。
高速を下りて国道を走る。ここからはほとんど一本道。ずっと後ろについていた車もいつのまにかどこかへ行ってしまった。彼女はバックミラーを少し直してアクセルを踏み込む。まっすぐ行けばあそこに着く。目の前に広がる山の奥。わたしを待つ人はいなくなってしまった。その人がいた場所だけがある。空っぽの、記憶だけの、曇天の。
下鴨車窓、五年ぶりの東京公演
京都を拠点に活動する劇団「下鴨車窓」は演劇作品『透明な山羊』を2022年10月に東京、長崎、北九州で上演いたします。この作品は2021年に京都で初演、続けて松山、津でも上演されました。
主を失ったある山小屋に人々が集まってきます。亡くなった主にさまざまな因縁を持つ人々です。空っぽになった場所が残るだけで、もうそのしがらみから解放されたはずなのにまとわりつくような何かが彼らを留めます。家族から国家までさまざまな場所にいる「父」や「父的な何か」を切り口にわたしたちが生きる今を描きます。<上演時間=約90分>
下鴨車窓 しもがもしゃそう
京都を拠点に現代演劇の創作・公演をする劇団。2004年に結成、劇作家・演出家の田辺剛が代表。当初は作品ごとに出演者やスタッフを募りチームを作っていたが2020年4月に劇団化。ほぼ全ての作品が各地でツアー上演される。2015年には香港とマカオの海外公演も果たした。また戯曲を執筆する講座も開催している。
[脚本・演出]田辺剛 たなべつよし
劇作家・演出家。2005年に『その赤い点は血だ』で第11回劇作家協会新人戯曲賞、2007年に『旅行者』で第14回OMS戯曲賞佳作を受賞する。2006年秋より文化庁新進芸術家海外留学制度で韓国・ソウル市に一年間滞在し劇作家として研修する。児童向け作品『きみがしらないひみつの3人』が令和元年度社会保障審議会児童福祉文化財の推薦作品に選出。
[舞台監督・照明]河口琢磨[舞台美術]川上明子[音響]森永恭代[イラスト]岡林真由子[当日運営]葛川友理[主催・企画制作]下鴨車窓[助成]芸術文化振興基金[協力]努力クラブ/ブルーエゴナク/ニットキャップシアター
※京都芸術センター制作支援事業
新型コロナウイルス感染症について
当公演は劇場の定めるガイドラインに則り開催しますが状況により公演を延期・中止する場合がございますのでご了承ください。詳しくは下鴨車窓にお問い合わせください。またご来場の際にはマスクをご着用していただき、また発熱等体調不良のときのご来場はお見合わせください。
開催場所
こまばアゴラ劇場
〒153-0041 東京都目黒区駒場1-11-13
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チケット受付方法
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