『センス・オブ・ワンダー』(筑摩書房) 刊行記念 森田真生トークライブ in東京

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『センス・オブ・ワンダー』(筑摩書房) 刊行記念 森田真生トークライブ

2024/4/14(Sun) 14:00~2024/4/14(Sun) 16:30

Doors:2024/4/14(Sun) 13:50~

青山ブックセンター本店

  • 『センス・オブ・ワンダー』(筑摩書房) 刊行記念 森田真生トークライブ イベント画像1

2020年の秋から、レイチェル・カーソンの『センス・オブ・ワンダー(The Sense of Wonder)』の翻訳に取り組んできました。『センス・オブ・ワンダー』は、もともと1956年の夏に(いまから70年近く前のことです!)カーソンが雑誌に寄稿したエッセイを、カーソンの死後に、友人たちが一冊にまとめた作品です。カーソンはこの原稿をさらに膨らませて、やがて一冊の本にしたいと願っていました。ところが残念ながら、原稿に手を入れることが叶わないまま、この世を去りました。『センス・オブ・ワンダー』は、永遠に未完の作品として、後世に遺されることになったのです。

未完の作品を時空を超えて「翻訳」していくこと。そのことの意味をこの三年半、考え続けてきました。そのひとつの必然的な帰結として、翻訳と並行しながら、僕はこのテキストを、いま自分がいる京都という場所で、書き継ぐ試みを始めていました。詳しい経緯は本書のなかにも記しましたが、今回の本が「翻訳」ではなく「翻訳とそのつづき」となっているのはこのためです。いままでにない形式のこの本を、美しい一冊にまとめてくださったのは、ひとえにデザイナーの鈴木千佳子さん、装画・挿絵を描いてくださった西村ツチカさん、そして編集の吉澤麻衣子さんの力です。永遠に未完である本書が、また新たな姿でここに「再生」し、たくさんの人の手によってさらに多様なかたちで読み継がれ、書き継がれていくとしたら、こんなに嬉しいことはありません。

70年近く読み継がれてきた言葉に、訳者として向き合い続ける時間は幸せでした。この過程で、いくつもの驚きや発見、そして数々の奇跡のような瞬間がありました。
なかでも、今回の本の帯にもある「きてよかったね」という言葉にたどりつくまでには、とても長い時間がかかりました。
この言葉とめぐりあえた瞬間のこと。そしてこの言葉に込められたカーソンの思い。 そういったことについても、今回のトークライブで、ぜひお話しできたらと思っています。

長く読み継がれてきた「古典」を翻訳することは、遠くからやってくる光が「届きますように」と、こつこつ言葉の手入れをする時間でした。距離があるからこそ、たくさんの人にとってのぬくもりとなる陽光のように、長い歳月を隔てていまに届くカーソンの言葉が、たくさんの人の心をあたたかく照らしますようにと、心から願っています。

青山ブックセンターでの今回の刊行記念トークライブでは、翻訳を通して考えたこと、見えてきたこと、そして本書を通して、届けていきたいこと、そういったことについて、刊行後の東京での第一声として、みなさんと同じ時間と場所を分かち合いながら、めいっぱいお話しできればと思っています。

読者のみなさんとお会いできますことを、心から楽しみにしています。

森田真生

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2024/3/6(Wed) 16:00~

2024/4/14(Sun) 13:59

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2024年3月14日14時〜

4,400Yen

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